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夫婦の「婦」は、女編に「帚(ほうき)」という話は面白い。 「婦」が「帚」を持つ「女」なら、「主婦」と言うのは「掃除主任」ということか。
だったら、「妻」は? 「婦」も「妻」もイマイチ・・・。だから女たちの多くは、その空回り部分を、「血 のつながっている子ども」との絆に託してきた。しかし、子どもと母親は“血がつながってはいない” 永六輔氏の言葉。「あなたね、女房だと思うから腹が立つんです。どこかの見知らぬ女だと思えなばいいんです。どこかの見知らぬ女が、炊事・洗濯、その上いっしょに 寝てくれる。これは頭が下がりますよ」
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刺身の「ツマ」と「妻」は、もともと同じ、といったら驚かれる だろうか。 それに対して、「婦」は役割をあらわす言葉だ。英語(正確には米語らしいが) だったら「home-maker」。 昨年行われた岐阜県の調査に、「女性に対する暴力に関する調査」というのがある。その中に、こんな質問項目があり、次のような答えが示されている。 先日の新聞に、東大で野球をやっている女性が紹介されていた。六大学のリーグ戦で投げるのだ、という彼女は卒業後の進路を聞かれてこう答えている。 |
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学生時代から国語が苦手で、文法はチンプンカンプン。読解問題は、いらぬ想像力をめぐらせすぎて、出題者の意図とはかけ離れるばかり。漢字に至っては、最近特にワープロ・パソコンに頼りきりで、独力では浮かんで来もしな
い。 妻や婦だけではない。女編の文字は、思いつくだけでもかなりある。 妻や婦と同じくらいに気になるのが、女偏に家と書いて『嫁』。こんな文字だから、女は家にいるものだという観念からどうしても離れられない。この場合の『家』は、
女が生まれ育った生家ではなく、嫁いだ先の夫の家を指す。だから“息子の嫁”では なく、“うちの嫁”と呼ばれることになる。 「たかが言葉・・・されど言葉」 その一つ一つに大して意味はないとしても、毎日繰り返して目にしていると、知らず知らずのうちにマインドコントロールされる。も しかしたら、かなりの女性たちが信じているのかもしれない。「嫉妬や妄想は、女の専売特許なのだ」と・・・。 |
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なんということなく、辞書を見ているのが好き。これも、「趣味」っていうのかな? で、中国ではどうだったか。「男」は先述の意味、「夫」は、「大夫=成年男子」で、「農夫」「抗夫」などと使われている。「士」は「士」偏として、自ら偏になる語で、「士女」という語が「男女」の意味を持つことから、これがどうも「女」
とペアを組むには、一番適当らしい。これも「成年男子」をあらわしている。 女偏の様々な字の中で、私が一番気になるのが「委」である。委託・委任・委員の「委」。 「男が古くなっても舅にはならないの?」 |
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このタイトルを見て、すぐに「ヒト・ミトコンドリア」と理解した人は、よほどの生物通か、あるいは雑学オタク。私は何度見ても、未だに「“ひとみ”とコンドリア」としか読めない。 今話題のヒトゲノムなどに出てくるDNAは、一般に“核DNA”を指すが、人間の遺伝に関わるDNAは、“核”と“ミトコンドリア”の中にあって、どちらも重要な働きをしているらしい。 面白いのはここからで、この“核DNA”は確かに両親から受け継ぐけれど、“ミトコンドリアDNA”は母親からだけしか遺伝しない。なぜなら、精子の持っていた “ミトコンドリアDNA”は、受精後すぐに卵子の中で分解吸収されて、消滅してしまうからだ。さらに分解されやすいように、ミトコンドリアDNAは精子の頭部分ではなく、尾の付け根あたりに存在しているという。 分解吸収の理由はまだ解明されていないが、ミトコンドリアDNAが“確かな母系遺伝”だという事実は、人のルーツを探るのに有効なだけでなく、歴史をも考え直させ る。 古代のヨーロッパでもアジア大陸でも、かつて戦いで侵略を果たした男たちは、そこに住む男を皆殺しにして、女たちに自分らの子どもを生ませようとした。日本の戦国時代にも、国取りの後に敗者の姫を側女にして「血筋=系譜」の書き換えを図った男たちのドラマが展開されていた。 しかし、前述のようにヒト・ミトコンドリアは母系遺伝。結局、彼らの思惑は大きく外れて、侵略者たちのミトコンドリア遺伝子は消滅し、女性側のミトコンドリア遺伝子のみが残されたことになる。 男たちの、せっせと「血筋=系譜」作りに励んでいた行為が、ちょっと虚しい。 そんなこんなで今だけは、「婚姻」や「婿・姓」の文字が少々気に入らない女偏であっても「まァ、いいか」・・・という気分になっている。 |