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「文化の日」の3日、本年度の文化勲章受章者が天皇陛下から勲章を手渡される恒例の親授式があった。 考えてみたら、その業績により文化勲章を授与されるのは、本人なのである。公的な記念撮影に「夫人」が同席しないのは、当然のことだ。 では、女性が勲章をもらったらどうなるのか? 今年の受賞者には、1人、女性がいらした。 女性が、受賞者になることを予期しないまま続いていたのが、「夫人同席」の撮影会だったのではないか。 女性が、○○の妻、◇◇の母という場でしか生きられない時代が長かった。
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「12月31日までにランドセルを予約すれば、20%off!」 というキャッチフレーズで、大手スーパーがキャンペーンを開始した。
ただし、この鮮やかなランドセルはカタログの中だけの話で、売り場に展示されているのはせいぜい、よく似た赤系3色と黒のみ。 考えてみると、“男女で分ける教育はしない”ことになっている小学校での中で、様々な色分けが、相変わらず続いている。 かつて、カスタネットが学校教育に取り入れられる時、赤いカスタネットと青いカスタネットが作られるはずであったという。もちろん、男の子用と女の子用。
もっとも、学校側に購入する意思がなければ、メーカーは製作には踏み切らない。
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秋も深まって、マラソンや駅伝のシーズンが始まった。
「女性には、マラソンは向いていない」と公言されていた。わずか30年前のことである。
この大会は、当初から、テレビ中継されていた。 1992年、49歳で亡くなった干刈あがたという作家がいる。 「日本の女。いとしいわ」 この時の優勝ランナーは、ジョイス・スミス。2時間30分27秒。昨年の優勝者でもある彼女は、イギリスの43歳のランナーであった。
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実家の母が退院。本来ならもうしばらく実家に滞在して家事をしなければならないところだが、病人の予後の良いのを幸いに、早々に戻ってきた。
母の手術は命に関わるものではないから、特に手はかからず、家にいるのは高齢の父だけで、家事は楽なもの。
8時に朝食。全ての家事は9時には終わる。その後10時まで自分の時間。
のんびりした日常である。昼間だけでも5〜6時間の自由な時間がある。手が空くたびに机に向かう。
智恵子抄の中の一文を思い出した。
油絵を志していた智恵子は、分断される時間ではそれがかなわず、作業をストップし やすい機織を始める。
私の実家での一ヶ月は、ままならぬ時間とはいえ、気遣いのいらぬ大人相手の暮らしであった。しかし、密室で幼い子どもと向き合っている母親のイラ立ちは、私の比ではない。
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第21回全日本実業団対抗女子駅伝が、今年も終わった。 この駅伝が終わると、今年も終わるなあ、と思う。 とにかく、一年、この「リレーエッセイ」を続けられた。 「力」のないものも、「願う」ことはできる。
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