12月3日

3年目   (カノコ)


何といっても3年目である。
ずらっと積み上げられた「リレーエッセイ」も、3年目を迎えた。

一生懸命やっていた活動の熱が冷めるのは、3年目、という気がする。
別に「3年目の浮気」という歌に影響されるわけではないのだが、無我夢中の時期を過ぎ、その活動のさまざまな局面もみえてきて、ちょっと距離を置こうか、と思うのは、男女の仲と変わらないのかもしれない。

それこそ3日にあげずに書いていた1年目。
どうかすると1週間、10日と空白期間がでてきた2年目。
さあ、3年目はどうなるか。

「落ちてきたら 今度はもっと
高く 高く 打ち上げようよ」

高く打ち上げれば、上空へ飛んでいけるが、上空の風は強い。
ささやかな紙風船は、どこか、とんでもないところへ飛ばされてしまうかもしれな い。
そんなことにも気がつく、3年目。

 

 

 

 

 

 

 

12月6日

続・3年目  (カナコ)


「紙風船」の詩でスタートしたこのコーナーも、あっという間に3年目・・・。
その間、DV防止法ができたり、あちこちの行政で男女共同参画条例が制定されたりで、紙風船は軽やかな舞を見せるかに思えた。
女も男も、子どもも高齢者も、しょう害者も健常者も、誰もが大切にされる社会が本当に来るかもしれない・・・そんな期待を、ほんの一瞬いだいた日もあった。
もしかしたら、3年目当たりで、このコーナーもエンドマークにしてもいいかなと思ったりもした。

それが何と、急激に起こった逆風。男女共同参画へのバックラッシュは、今や全国を駆け巡ろうとしている。紙風船は、上空でつむじ風に揉まれて、きりきり舞をさせられている。
1999年に作られた“男女共同参画社会基本法”には、「性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会」と明記されている。しかし、その部分が承認できないと、宇部市での条例では「男女が、男らしさ女らしさ を一方的に否定することなく男女の特性を認め合い・・・その特性と能力を発揮する機会が確保されること」と表記された。要約すれば、「男と女は役割分担せよ」ということである。
その「特性を大切にせにゃいかん!」という台風は、日本列島を迷走し始めた。

男と女は違う。しかしその違いは、社会の中で仕事や役割を“性別で分担”しなければならないような差ではない。
男女にかかわらず全ての人が、個人として大切にされる社会が来るまで、もうしばらく、このコーナーを続けてみようと思う。
・・・とは言っても、決して悲壮な決意ではなく、逆風も突風もそれなりに楽しみながら、ぼちぼちと紙風船を打ち上げてみようと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

12月8日

紙風船だから   (カノコ)


紙風船のクセして、いっぱしの顔するんじゃないの!
と、中に水素とかヘリウムとかをいっぱいに入れたゴムの風船たちがにらみつける。
そんな風景を想像してしまった。

鳥取県が企画した男女共同参画フォーラム「女性の政策決定参画」に、議員から 「公費を使って女性議員を増やそうというのはいかがなものか」とクレームがついたという記事を読んだ時だ。
県は、フォーラムは実施するものの、「女性の政策決定参画」というサブタイトルと、パネリストの見直しをするため、4千枚の案内チラシを回収したそうだ。

一人、二人のうちは、「女もいいな」と言ってもらえても、その数が増してくる とどうもそうではなくなるらしい。
片山知事は「女性が政治の場に出やすいよう環境づくりをして、ハードルを低くすることは公益性にかなっている」といっているそうだが、統一地方選挙も近い今、現職議員にとってはそれどころではないのだろう。

「女性は、女性にこそあった本分がある」というのは、「あんたは、ここにいな くていいの。この線から向こうで頑張ってね」ということ。
色とりどりのゴム風船の中に、紙でできた風船が混じっているのは、目障りらしい。
まして、中に詰めた気体ではなく、彼女を支持するみんなの手が、一生懸命その紙風船を打ち上げている、なんて構造は、理解ができないのだろう。

紙風船は、ゴム風船と違って、プーッと吹いてまん丸にすると、口を離しても、つぶれたり縮んだりしない。一度球形になった紙風船には、少しぐらいつついても形が変わらないだけの強さがあるのだ。
そして、口で息を吹き込まなくても、つぶれた紙風船は、上手についていると、だんだんふくれて丸くなる。

つぶされることには、慣れている。
つぶれたら、またつけばいい。

 

 

 

 

 

 

 

12月27日

ボーナス  (カナコ)


富山県のある町で、少子化対策として、5人目の子どもから1人につき100万づつ支給されることになった。
そして昨日、双子が産まれ、それが5番目・6番目に当たっていたことから、報奨金200万円。それが分割払いというのが「町行政」らしくて、40万づつ5年間支払われることになったという。これは、思いがけないボーナスなのか、それとも狙ったボーナスなのか。
でも、なぜ5人目から?
そこまで楽しんで産める家族なら、報奨金などなくても、6人でも7人でもOKだった気がしないでもない。

3人目からに報奨金を出している行政はあちこちにある。3人目くらいならば、 「じゃあ、もう一人いってみようか」と踏み切る夫婦がいるはず・・・と考えたのだろう。 
しかし、そうは問屋がおろさなかった。報奨金目当ての出産は増えず、支出先は同じ人ばかり。同じ夫婦が3人目・4人目・5人目と産み続けて、一人勝ち?状態。
現在の子育て環境は、一時金につられるほど甘くはない。

男女共同参画社会基本法ができて、子育て環境がよくなるかもしれないと、ほんの少し期待をしたのだけれど、その巻き返しがあちこちの地方議会で始まってしまった。 「女性は、女性にこそあった本分がある」「あんたは、ここにいなくていいの。この線から向こうで頑張ってね」というメッセージが、日毎に強くなる。
宇部市で、「専業主婦を大切に」という男女共同参画条例ができて、その賛否両論のさなか、今月半ばに高山市で「男らしさ・女らしさを否定せず、男女の特性を大切に」という条例が可決された。

今年も暮れる。さてさて、これで高山市は、新しい年の“少子化”を乗り越えられるのか・・・。